去年の夏に買った『忌館 -ホラー作家の棲む家-』から1年。まさか三津田信三氏の新作が文庫で出ているとは知らず、最近手に入れた作品。
『忌館 -ホラー作家の棲む家-』はあまり好みでは無かったものの、ホラーとミステリーの交じり合った作品は、三津田氏の作品全てに期待させるものでした。

『厭魅の如き憑くもの』ですが、地方の村に訪れた怪奇幻想作家が次々に起こる殺人事件に遭遇して解決するという、テンプレートな内容です。しかし、事件そのものが余りにも異様なため、物語が単純なミステリーではなくミステリーの様相を帯びています。

民間伝承をなぞった殺人、怪異に彩られた舞台、ミステリーとホラーを混ぜ合わせた独特の雰囲気、どれかが好きな方は是非手にとって欲しい作品です。

お財布が薄いので文庫にしか手が出せませんが、これからも追いかけて行きたいと思います。

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